

お久しぶりです。みちこです。「昆虫煮干し 京都かいこ蛹」でおなじみ、京都府亀岡の塩野屋さんで養蚕研修とイベントのお手伝いに行ってきましたよ。
さぁ、京都亀岡へ
さて、暑さも落ち着いてきた9月某日、修学旅行以来の京都に向け出発しました。今回は養蚕修行とイベントのお手伝いを兼ねて5泊6日の旅です。京都から電車を乗り換え目指すは亀岡へ。窓の外を眺めているとあっという間に到着です。
亀岡市は、2020年の大河ドラマ「麒麟がくる」の秀光公のお膝元です。駅からちょっと行くとお城の跡地がありますよ。
養蚕研修
早速、塩野屋の服部さんと桑畑に出発です。塩野屋さんは人工飼料で育てるのが一般的な現代の養蚕を「全齢桑育」にこだわって蚕を育て続けている歴史ある織元さんです。
詳しくはこちら↓
https://takeo.tokyo/note/information/kyoto-silkworm/
青々とした桑の葉があたり一面に広がっておりました。今年のはじめ塩野屋さんの「蚕飼育キット」で蚕を育てたため桑の葉採りはお茶の子さいさい思っておりましたが…採る量が半端ない!なんせ今季は2万頭の蚕を飼育しているとのこと。伺った時期まだ2齢で、柔らかい先端の葉を選別し採るのです。
2齢の蚕さんは1~2センチぐらいの幼虫で、肉眼では顔の判別ができないくらいの大きさです。まだまだ小さな蚕さんには、柔らかい葉を小さく刻んであげていきます。眠の時期を除いて日に3回、みんなに行き渡るよう毎回丁寧に桑の葉をあげるのです。
グリーンの布団に覆われた蚕さんは懸命に葉を食べ、上に上にとあがってきます。蚕さんのモグモグタイムは見ていて飽きることがありません。焚き火で癒やされるように、気持ち安らかになっていきます。本当にかわいい……。
イベント期間中は1日3回桑畑で葉を取り、刻むという時間との戦いでありました。
イベントは『純国産シルクで新しい衣・食・住』
さて、イベントは『純国産シルクで新しい衣・食・住』の提案と塩野屋十四代目から十五代目ゆかりさんへバトン引き継ぎのセレモニーが行われました。
TAKEOはもちろん「食」の提案の担当。京都ではあまり昆虫を食べることがないようで、受け入れられるか心配でしたが、試食会ではぷりっとした「冷凍かいこの蛹」、三種のカナッペなど好評いただき一安心!(三種のカナッペがうちの店舗のデザートに仲間入り決定!)
京都新聞さんに掲載されたおかげもあってか、以前養蚕をされていた方も多く来店されました。さすが歴史がある京都とはんなり納得。保育園やホームケアで蚕を育てている方もいて蚕の知育や癒やしの効果を再発見!最終日のトークショーでは、14代目の服部さんと代表の齋藤がリモートディスカッションで会場を盛り上げました。
スーパー昆虫「蚕」
ところで、昆虫食はスーパーフードとよく言われますが、蚕は本当にスーパーな昆虫なんです。今回のイベントのため初めて蚕の歴史など調べてみましたが本当にすごい、とりあえず、すごいんです。ちょっとそれをお伝えしたい!それではどうぞ。
蚕のココがすごい。
1.桑のみで育つ
桑を育てる環境も大切で空気や水もがいいところで育つ桑の葉は蚕さんもよく食べます(当社比)
2.捨てるところがなんもない
切り繭は真綿や、そこから糸にしたり。捨てがちな糞は昔から漢方薬などお茶として飲まれてるよ。
3.研究されすぎてる
新型コロナウィルスの治療薬になりそうだったり、犬や猫の風邪薬、コンタクトレンズ、人工血管など蚕の繭や蛹を使っていろんなものに活用されているよ。昔は絹糸腺を使ってテグス(釣り糸)としても使われていたって驚きだよね。
そもそも紀元前200年前(弥生時代)に中国から渡ってきた蚕は様々な改良が加えられ、明治には日本一大産業となったのであります。なんとJR中央線や横浜線が作られたのは蚕のお陰で日本のシルクロードがその頃できたのです。昭和初期には養蚕農家さんは220万戸以上あって農家の約40%を占めていたんですよ。それもいまや全国300戸以下となっているんです。純粋に驚きしかないですね。盛り上がっていた頃は、蚕にまつわる文化や風習もあったようです。もちろんそこにも「食べる」という習慣も根付いていたようです。
衰退する理由は色々あったようですが、最近は国をあげて養蚕業復活プロジェクトが進んでいます。TAKEOでも引き続き食の視点から塩野屋さんや全国の養蚕農家さんを応援してければと思います。
さいごに
今回は貴重な体験ができとても充実した旅なのでした。養蚕家への一歩を踏み出せたかも。そして無農薬で育てられてた桑、人工飼料を使わず、丁寧に蚕を育てているところに塩野屋さんのシルクへ強い思いが伝わってきました。わたしもその思いを少しでも皆さんに伝えられたらと思います。
てなことで、個人的にも今後も日本の養蚕を勉強していきたいと思います。蚕を育てられている方いたら、ぜひお声がけください!おいしい蚕をみなさまにお届けしていきましょう♪私もお手伝いに伺います。