

TAKEO 浅草本店に来てくださるお客さんのおよそ2割は外国人観光客の皆さんです。インバウンドから見た昆虫食やTAKEO 浅草本店についてご紹介します。
インバウンドの街「浅草」
訪日ラボが発表した「東京で外国人に人気の観光スポット」によると、1位がチームラボプラネッツ TOKYO DMM、2位が東京スカイツリー、3位が浅草寺とTAKEO 浅草本店の周辺がいかに外国人観光客の皆さんで賑わっているかご想像いただけるのではないでしょうか。
実際に東武スカイツリーライン浅草駅からTAKEO 浅草本店に歩いて向かうと、雷門通りをはじめとした主要な道はインバウンドでごった返しており、いわゆるオーバーツーリズムの状態です。ただ、かっぱ橋道具街通りや東本願寺のある西浅草に店舗を構える浅草本店の周辺は比較的混みあっておらず、お客様にゆっくりカフェ時間を過ごしていただける環境が整っているように思います。ちなみに浅草寺と東京スカイツリー、浅草本店はちょうど三角の位置関係にあります(Googleマップを加工して掲載)
店舗アンケートの概要
外国人観光客の方にTAKEO 浅草本店の昆虫食を楽しんで頂きたいという思いから、来店する外国人のお客さんにアンケートを行いました。店舗担当が中心となり15ヵ月(2023.05-2024.07)に及ぶ調査結果がこのほど関係者内でレポートとして回覧されました。TAKEO 浅草本店にわざわざ海外から来るお客さんってどんな人なのでしょうか?
ちなみに英語、中国語、韓国語の3か国語のパターンで、可愛らしい昆虫を散りばめたアンケート用紙を用意しました(一部抜粋して掲載)。
アンケート結果の一部を公開
ちょっとだけ結果を公開します。TAKEO 浅草本店のお客さんの国籍をみると、なんと40か国の方に来店いただいていました。割合にすると食文化として昆虫食が根付いているアジア圏の方が半分以上を占めることが分かります。特に台湾の方の割合が、公表されている訪日外国人の割合以上に多いことが分かりました。
次にTAKEO 浅草本店を知ったきっかけについてみると、Googleマップや偶然、ウェブサイトと続きます。Googleマップはもちろん、中国語をはじめとしたその国の言葉でTAKEO 浅草本店のことをきちんとお伝えしていかなければならないことが分かりました。ちなみにTAKEO 浅草本店ウェブサイトには英語版の用意がありますが、多言語対応がTAKEO 浅草本店の課題であることが分かりました。
最後に来店の目的をみると、やはり昆虫を食べたかったからという方がほとんどでした。築60年の古民家に興味をもって来店したというケースも多いことが意外でした。
国別、昆虫食古今東西
私の学びを兼ねて、お客さんの割合が高かった国の昆虫食文化について少し触れます。ここでは、TAKEOで所蔵している三橋淳さんの『昆虫食古今東西』を引用、一部抜粋してご紹介します(本には誰が貼ったのか、付箋がびっしりです)
<台湾>タイワンオオコオロギの巣穴に水を注入して、出てくるところを捕まえて食べる。炒って醬油を付けて食べるのが一般的である。スズメバチ類では、幼虫や蛹が入ったままの生巣がマーケットに売っていたり、レストランで油炒めしたハチを食べさせるところもある。また、スズメバチを焼酎のような酒に漬けたものを強壮飲料として売っている。
<中国>中国では非常に古くからカイコガ幼虫を食べていたと言われていた。紀元前の周代には帝王がアリ、セミ、ハチを食品として用いていたことが記されている。食用昆虫で、種類の多いグループは甲虫目、チョウ目、シロアリ目、ハチ目である。※少数民族の昆虫食、昆虫の生産物である冬虫夏草や虫糞茶、搾油についても記載がある。
<韓国>1922年に行われたアンケート調査によると、食用昆虫はイナゴとカイコガを中心に6目13種と、薬用昆虫で8目51種に比べると少ない。韓国は現在でもイナゴはメツギと呼ばれ、おかずや酒のつまみとして食べられている。
<シンガポール>
シンガポールでは、タイワンタガメで香りを付けた塩が売られていた。シロアリの女王を生きたまま食べたり、アルコールに浸して食べたり、日本酒に浸して保存したりする。それらは町のコーヒーショップで売られていたという。
国ごとに昆虫食文化がずいぶん違うことに驚かされました。
浅草から世界へ、持続可能な昆虫食文化の発信
浅草という立地を活かし、様々な目的で日本に来る外国人観光客の皆さんに昆虫食を提供していることがお分かりいただけたのではないでしょうか。昆虫食TAKEOは、ここ浅草で東南アジアの昆虫食文化を大切にし、その地域の食材を取り扱うことで、持続可能な昆虫食文化の発展を目指しています。
参考文献:
【2024年最新】東京で外国人に人気の観光スポット:浅草寺が3位、1位は?
https://honichi.com/news/2024/05/21/202405_inboundranking_tokyo/
・三橋 淳 著『昆虫食古今東西』